新年好、明けましておめでとうございます。
今回は、今までとちょっと趣をことにして、私自身のことについてお話します。
日本人ですから、元旦の朝はお雑煮ということになります。しかし、ここは中国です。中国で、日本と同様な餠を食べるのは、雲南省の苗族など少数民族のごく一部だけです。中国人の90%を占める漢族が正月に食べるものと言えば、北の黄河流域では水餃子、南の長江下流域は年餻ということになります。
ところで、年餻とはもち米の粉を固めて蒸したもので、厚さ2cmくらいの板状にしたものです。これを2・3mmくらい薄く切って、汁で魚肉野菜などの具とともに煮て食べるのです。これがいわば長江下流域での雑煮とでもいいましょうか。この外に油で揚げたり、鍋物の具にします。しかし、年餻は米から作りますが、焼いても膨らみ粘りが出ることはありませんから、もちの代わりにはなりません。
四川は米作地帯ですが、もちろん、ここ成都市民も餠は食べません。当然ながら、餠は売っていません。年餻ならばスーパーで手に入りますが。
去年まではそうでした。この11月に、やっと餠らしきものを店で見ました。それは、大きな丸餠といった形をしていました。直径16cmくらい、厚さ3cmほどです。押すと内部はまだやわらかいです。ただ、突き方のせいか完全に米粒が撞かれてはおらず、半撞き状態で、見た目にも米粒が残り、焼いても膨らむことはありません(焼き網がないので、フライパンの代用です)。それでも中は柔らかくふっくらとします。ただし餠のように粘りが出てぐっと伸びることはなく、咬むとすぐ切れてしまいます。この「餠」は汁粉を作ったときに試したのです。なお、値段は3元あまりでした。
まあまあだったので、これをお雑煮にしてみました。
関東出身の私のお雑煮は醤油すまし仕立てです。具は、お祝いの紅白として大根・人参、青物としてのほうれん草(本当は三つ葉がいいのですが、ないので代用)それに鶏肉・椎茸です。日本より持参のほんだしの素を出汁とし、醤油は味の近い「生抽」(広東製の醤油)で代用してすましを作ります。「餠」はフライパンでごく弱火でふたをして焼きます。2・3回表と裏を返して焼きます。すると表面に少し焼き目がで、中はやわらかくなります。しかしほとんど膨れません。これを先のすましに入れて、お雑煮の出来上がりです。食感に餠特有の粘りがほとんどないのが何といってもものたりませんが、ともあれお雑煮ということになります。これで、私は成都の朝を迎えました。
最後に、この「餠」はどんな店で売っていたでしょうか。それは豆腐屋さんでした。私は大学内の個人商店の豆腐屋で買いました。
(2005.01.01)
