足立遠元館跡―歴史雑感〔36〕―

 足立遠元は、源賴朝の代に宿老として遇され、武蔵国の有力御家人で、名乗りの地である足立郡を領有しました。遠元の居館として伝承される地は複数あります。この中で、中心の地であると考えられているのが、埼玉県桶川市末広2丁目8番地の桶川市総合福祉センターのあるところです。『武蔵風土記稿』(19世紀前半に幕府により編纂された地誌)巻之百四十七足立郡之十三桶川宿に本居館跡に関して、林となってこの中に無字の石祠があるだけと、記述されています。すでにこの時期には痕跡を残していなかったようです。

 さて、写真(2017年8月28日撮影)に見るように、現在では本居館跡を伝えるのはセンター横にある「伝足立右馬允遠元舘跡碑」(1983年建立)のみです。当地への公共交通は、朝日バスのJR桶川駅東口発の加納公民館経由JR桶川駅東口行(加納循環)で、5つ目の総合福祉センター下車徒歩約3分です。

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 なお、足立遠元に関しては「武蔵武士足立遠元(その1)―歴史雑感〔6〕―」(2005年11月6日付)以下を参照してください。

(2017.08.29)

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About kanazawa45

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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