自貢市塩業歴史博物館と栄海井―四川雑感〔16〕―

 前日に続き、2012年1月10日(火)午前は、自貢市は古くからの塩生産地(塩井)として知られており、そこで自貢市塩業歴史博物館と栄海井を見学しました。まず、自貢市塩業歴史博物館を紹介します。本博物館は、1959年に設立された(小平が提議して、最初の展示は1962年)、中国唯一の塩業史博物館です。市中心地区の竜尾山(「彩灯公園」)下の釜渓河畔、解放路に位置します。開館時間は9時から17時半、入場料は20元(60才以上半額、70才以上無料)です。交通は、35路の十字口站下車、自由路を下り(南)200mほどの解放路との交差点で、左(東)に解放路に道を取り、約600mです。

 写真1は、入口の建物です。実は本博物館は西秦会館(1736年〔清乾元年〕建設の陝西省籍の塩業商人による同郷会館)を補修して開設されたものです。会館は基本的に四合院造りとなっており、入口は前庁になります。

 入口を入ると中庭です。奥に後庁が見えます。後庁の左側から展示が始まります。写真2は、最初の展示で、清代の馬車提滷模型(塩水リフト運搬模型)です。奥の塩井から汲み上げた塩水(滷)を、竹管道(四川省は竹の産地)を用いて輸送・分流・配送し、写真には写っていない手前の炉(竈)へと塩水を運搬する装置です。

 写真3は、古代の煎塩竈鍋と塩井のジオラマ模型です。奥の塩井から汲み上げられた塩水を手前の竈鍋で煮詰めて塩へと精製するのです。このように、ここでの展示は古代から現代にいたる自貢市での塩井による塩製造法を模型などを用いて展示しています。

 右庁から前庁2階にかけては「中国井塩科技史」の展示室です。ここには、実際に使用された各種の工具などが展示されています。写真4はその一例で、塩井を掘削・補修する工具の一つとして打𢭐工具(サルベージ)です。

 写真5は、塩井模型で、掘削時のものです。背景の建物が後庁です。以上で、本博物館は終わりです。

 次いで栄海井です。栄海井は、1823(清道光3)年に開削が始められ、1835(道光15)年に完成した、世界最初に井深千メートルを超えた塩井です。井深1001.42mです。1940年まで黒滷(黒塩水)を自噴させていました。そして、補修を重ね方式も変えていますが、現在でも塩井から塩が生産されています。市内東北の大安区長堰塘の砕万路に面しています。開館は9時から17時半で、入場料は20元(60才以上半額、70才以上無料)です。交通は35路で栄海井站下車です。塩井が見えますからすぐ分かります。なお、35路は自貢市客運站・十字口站(自貢市塩業歴史博物館)・栄海井站(栄海井)・恐竜站(自貢恐竜博物館)となります。

 写真6は、高18.4mの水質井架(天車)と「榮海井」を示す壁です。これが本来の塩井です。杉木構造です。

 天車の奥の一段と高いところの建物が竈房です。写真7はその内部の様子です。ご覧のように湯気を上げ塩水を塩へと煮詰めています。奥に作業する人が見え、手前に精製された塩袋(20kg)が積み重ねられているように、ここの塩井は現役で生産活動を続けているのです。

 最後の写真8は、竈房を下ったところに展示している大地車(絞車)です。道光年間のもので4.5m・高2.5mです。ここには他にも塩井掘削関係の道具が展示されています。

 以上で、恐竜と塩の町として知られる自貢市行が終わり、昼のバスで成都へ戻りました。なお、フォトアルバム「自貢市塩業歴史博物館と栄海井https://1drv.ms/f/s!AruGzfkJTqxngpkx1b_xk6IvwOm96gをご覧ください。

(2012.01.13)

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About kanazawa45

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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